「分析の考え方」の解説の目的
消費者安全調査委員会(以下「調査委員会」という。)は、平成26年7月に「消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書 機械式立体駐車場(二段・多段方式、エレベータ方式)で発生した事故」(以下「調査報告書」という。)を公表した。 調査を行った6件の事故(以下「本件調査事案」という。)は、いずれも機械式駐車装置(以下「駐車装置」という。)に起因する事故ではなく、利用者の不注意や誤使用が原因で発生したものと判断されていた。しかし、調査委員会が機械安全の原則に従って、設計時の利用者の想定、事故に至るまでの利用者及び被災者の行動、機械の動作、駐車装置の周辺状況などの調査及び分析を行った結果、マンション等の日常の生活空間における実際の利用環境や人の行動特性について、設計段階で十分に考慮されてこなかったことが事故原因であると判断するに至った。 調査委員会は、調査報告書では十分に論じられていない分析の考え方の詳細について解説することが、駐車装置のみならず、あらゆる機械の設計に実際に携わる者や、それを志している大学等で学ぶ者にとって有益であると考え、分析の考え方の解説(以下「本解説」という。)を取りまとめることとした。 また、本解説には子どもの行動特性など、消費者にとっても有用な情報が多く含まれているため、消費者の方々にも読んでいただきたい。
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