著作 研究成果物
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技術士は文部科学省登録の中立で高等な技術者です。
労働安全コンサルタントは安心して働ける職場にするための
労働安全衛生法の規定による労働安全の専門家です。


著作 研究成果物

 

技術者の倫理_第五版.jpg
著者 杉本泰治(すぎもと たいじ)
協力 中村昌允(なかむら まさよし)
    小西義昭(こにし よしあき)
    佐藤国仁(さとう くにひと)
    森山 哲(もりやま てつ)
第五版 大学講義 技術者の倫理 入門
丸善出版株式会社
2016年1月30日

ISBN 978-621-30016-9 C3050

 本書は2001年(平成13年)に初版発行された"大学講義 技術者の倫理 入門"の第五版である。技術士杉本泰治先生のお考えに沿って執筆された名著の一部に協力することを求められ少ないページではあるが森山哲も執筆した。本書は杉本先生の不朽の書である。

技術者倫理に関しての名著であることは疑いもない。手にとって読まれることをお薦めしたい。

===========丸善のホームページから==================

 日常の生活や業務において倫理的な問題が発生したとき、通常は、記憶の中からの予測が無意識のうちに働きます。
技術者が倫理的問題に対処するときに必要なことを簡単な「イメージ」に収め、それが無意識に動くようにできれば、望ましい行動に結びつきます。本書では、倫理のさまざまな側面について、多様な事例を取り上げながら、社会的条件や組織と個人の関係における日本の実情をふまえて解説します。技術者の資格、法と倫理の関係、説明責任、内部告発、自然環境と持続可能な開発、技術者の財産的基礎、国際関係など、著者らの実務経験に照らした解説により、実践的な知識が身に付きます。


■目次
第1章 モラルへのとびら
第2章 技術者と倫理
第3章 組織のなかの個人の役割
第4章 組織上の人間関係
第5章 倫理実行の手法
第6章 技術者のアイデンティティ
第7章 技術者の資格
第8章 事故責任の法の仕組み
第9章 法的責任とモラル責任
第10章 コンプライアンスと規制行政
第11章 説明責任
第12章 警笛鳴らし(または内部告発)
第13章 環境と技術者
第14章 技術者の財産的権利
第15章 技術者の国際関係

 

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機械式立体駐車場報告書表紙.jpg
消費者安全調査委員会
森山哲(専門委員)
分析の考え方の解説 
 事故等原因調査報告書
 機械式立体駐車場(二段・多段方式、エレベータ方式)で発生した事故
 (平成26年7月18日公表)
内閣府
2015年1月23日

解説書は、消費者庁のホームページからダウンロード出来ます。

本文のPDFデータは: 6_kaisetsu.pdf

「分析の考え方」の解説の目的


消費者安全調査委員会(以下「調査委員会」という。)は、平成26年7月に「消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書 機械式立体駐車場(二段・多段方式、エレベータ方式)で発生した事故」(以下「調査報告書」という。)を公表した。
調査を行った6件の事故(以下「本件調査事案」という。)は、いずれも機械式駐車装置(以下「駐車装置」という。)に起因する事故ではなく、利用者の不注意や誤使用が原因で発生したものと判断されていた。しかし、調査委員会が機械安全の原則に従って、設計時の利用者の想定、事故に至るまでの利用者及び被災者の行動、機械の動作、駐車装置の周辺状況などの調査及び分析を行った結果、マンション等の日常の生活空間における実際の利用環境や人の行動特性について、設計段階で十分に考慮されてこなかったことが事故原因であると判断するに至った。
調査委員会は、調査報告書では十分に論じられていない分析の考え方の詳細について解説することが、駐車装置のみならず、あらゆる機械の設計に実際に携わる者や、それを志している大学等で学ぶ者にとって有益であると考え、分析の考え方の解説(以下「本解説」という。)を取りまとめることとした。
また、本解説には子どもの行動特性など、消費者にとっても有用な情報が多く含まれているため、消費者の方々にも読んでいただきたい。

 

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2012pool.png
公益社団法人 日本技術士会 登録 
技術図書刊行会
森山哲(第1章執筆)
技術士ハンドブック 第2版
オーム社
2014年11月20日
2006年に発行した初版の改訂版

発行後8年が経過し、各種規格の改訂や東日本大震災を契機とした安全エネルギー環境などの社会情勢の変化に合わせて改訂を行いました。
 また、第2版より「建設マネジメント」の章を設け、技術士の半数以上を占める「建設部門」の方により訴求する内容構成とするとともに、プロジェクトマネジメントについては、最新版であるPMBOK第5版の内容をふまえ、最新の知見を豊富に盛り込んでいます。
 専門分野を問わず技術士に求められる基準やベースとなる知識が横断的に把握できる内容となっていますので技術士として業務をこなしていくうえでの座右の書となる一冊です。

★このような方におすすめ
・既に独立している,あるいは独立しようとしている技術士の方 ・企業内技術士であっても,将来の独立を視野にいれている技術士の方

詳細目次
1章 安全工学
 1.1 概要
 1.2 機械安全
 1.3 電気と制御の安全
 1.4 機能安全
 1.5 人間機械協調システムの安全
 1.6 子どもの安全
 1.7 リスクアセスメント
 1.8 ヒューマンエラー
 1.9 労働災害と安全
 1.10 安全に関する主要な用語と定義
2章 環境
 2.1 概要
 2.2 環境問題の歴史
 2.3 環境の現状と対策
 2.4 自然共生社会と生物多様性
 2.5 低炭素社会と地球温暖化
 2.6 循環型社会と廃棄物
 2.7 環境アセスメント
 2.8 環境測定技術
 2.9 環境教育と協働
 2.10 環境と経済
 2.11 環境関連法規
 2.12 技術士と環境
3章 エネルギー
 3.1 エネルギー概論
 3.2 原子力エネルギー
 3.3 省エネルギー
 3.4 再生可能エネルギーとエネルギー利用面での技術革新
4章 経営/生産マネジメント
 4.1 経営戦略
 4.2 マーケティング
 4.3 財務会計
 4.4 生産計画と管理
 4.5 サービス生産性
 4.6 IE・VEの展開
 4.7 資源計画と管理
 4.8 物流とロジスティクス
5章 品質マネジメント
 5.1 品質マネジメントの用語
 5.2 品質管理と品質保証
 5.3 品質管理手法
 5.4 サービスの品質管理
 5.5 統計的品質管理
 5.6 品質マネジメントシステム
 5.7 経営活性化への展開
6章 建設マネジメント
 6.1 建設マネジメント概論
 6.2 アセットマネジメントとストックマネジメント
 6.3 災害対応マネジメント
 6.4 設計の概念
 6.5 IT技術と建設マネジメント
 6.6 公共工事の入札・契約制度改革
 6.7 国際化と海外建設プロジェクトマネジメント
 6.8 まちづくりと市民参加
 6.9 建設事業の関連法規
 6.10 建設マネジメントに関連する主要な用語と定義
7章 情報マネジメント
 7.1 情報と情報マネジメント
 7.2 情報マネジメントの内容
 7.3 知的財産権
 7.4 情報マネジメントの運用技術
 7.5 情報の安全管理
 7.6 情報のセキュリティ管理
 7.7 情報の収集と分析
 7.8 情報倫理
 7.9 情報マネジメントにおける関連法規
8章 プロジェクトマネジメント
 8.1 プロジェクトの全体計画
 8.2 プロジェクトのスコープ計画
 8.3 プロジェクトのリスク管理
 8.4 プロジェクト・スケジュール計画
 8.5 コスト見積もり
 8.6 プロジェクト組織と人的資源計画
 8.7 コミュニケーション計画
 8.8 設計計画
 8.9 調達計画
 8.10 建設・試運転計画
 8.11 ステークホルダー・マネジメント計画
 8.12 プロジェクトの評価とフィードバック
9章 リスクマネジメント
 9.1 リスクマネジメント概要
 9.2 企業経営とリスクマネジメント
 9.3 企業におけるリスク対応
 9.4 コンプライアンスリスクマネジメント
 9.5 危機管理と事業継続
 9.6 ケーススタディ(実例から学ぶ)
10章 倫理
 10.1 エンジニアの倫理概説
 10.2 エンジニア倫理の基本
 10.3 安全文化の諸問題
 10.4 「良い仕事」という倫理の目標
 10.5 設計における倫理問題
 10.6 製造物責任と倫理
 10.7 従業員としての倫理
 10.8 公務員倫理と積極的倫理
 10.9 生命倫理
 10.10 倫理教育の現状と課題
 10.11 技術士倫理綱領
11章 問題解決
 11.1 エンジニアの問題とは何か
 11.2 問題解決の方法と解決の手順
 11.3 問題の発見
 11.4 問題の整理と分析
 11.5 解決策の探究
 11.6 問題解決の技術
 11.7 解決策の意思決定
 11.8 問題解決事例
12章 人材育成
 12.1 技術者教育とキャリア形成
 12.2 技術者教育の国内外の動向
 12.3 初期専門能力開発の進め方
 12.4 大学における初期技術者教育(IPD)
 12.5 企業における初期専門能力開発
 12.6 機械系技術者の人材育成
 12.7 電気系技術者の人材育成
 12.8 材料系技術者の人材育成
 12.9 建設系技術者の人材育成
 12.10 情報系技術者の人材育成
 12.11 自然環境系技術者の人材育成
 12.12 原子力系技術者の人材育成
付録 
 1 日本技術士会の概要と活動
 2 技術士史
 3 技術年表
 4 災害・事故年表

 

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機械式立体駐車場報告書表紙.jpg
消費者安全調査委員会
森山哲(専門委員)
消費者安全法第23条第1項に基づく
事故等原因調査報告書
機械式立体駐車場(二段・多段方式、エレベータ方式)で発生した事故
内閣府
2014年7月18日

報告書は、消費者庁のホームページからダウンロード出来ます。

本文のPDFデータは: 6_houkoku_honbun.pdf

機械式駐車装置(以下「駐車装置」という。)の設置実績は、平成25年3月末時点で累計約54万基3)に上り、機械式立体駐車場における利用者等の死亡・重傷事故は、平成19年度以降少なくとも26件(うち死亡事故は10件)発生している。
このような実態を踏まえ、調査委員会は、事故原因の究明と再発防止が必要であると判断し、駐車装置内で発生した人や車の挟まれ事故等、6件について調査を行った。

<原因>
調査を行った機械式立体駐車場の事故に共通した原因として、マンション等の日常の生活空間における実際の利用環境や人の行動特性が、設計段階で十分に考慮されてこなかったため、人と機械の動きを隔離する機能、緊急時に装置を停止できる機能など、駐車装置が有するリスクを低減させる安全策が十分でなかったことが挙げられる。
上記リスク低減の取組が遅れた背景的要因の1つとして、製造者等において、事故が発生しても利用者の不注意や誤使用が原因とされてきたことがあると考えられる。
調査した6件の事故事例から、事故等原因について抽出した具体的な問題点を次に示す。
1.設計時の想定と実際の利用環境の相違
昭和 60 年代以降にマンション等の消費者の日常生活空間においても駐車装置が急速に普及したことに伴い、利用者が直接駐車装置を操作するようになった。
マンション等に設置された駐車装置を操作する利用者は、駐車装置の構造や危険性を十分に知る機会が与えられないままに、利用者自らが、駐車装置内の無人確認、機械操作、車の入出庫、同伴者の安全確保を行うこととなっている。
また、駐車装置は運転者以外の者が駐車装置内に立ち入らないことを前提として設計されているが、実際の利用環境では、幼児を連れて利用する場合に駐車装置内に幼児も入れざるを得ないなど、設計時の想定と実際の利用環境が大きく異なっていることが明らかとなった。

2.人の行動特性への考慮不足(安全確保に対する利用者への過度の依存)
駐車場の掲示や取扱説明書が示している操作手順と、実際の利用者の操作との間に齟齬
そ ごがあった。この齟齬そ ごの背後には、設計時の想定と実際の利用環境の相違や、視認性の悪さ、自由に動き回る幼児の特性、表示内容の不明確さなどにより、利用者にとって製造者の想定どおりの操作が困難である状況や、想定とは異なる操作を誘発する状況があった。
このように、駐車装置は、実際の利用環境や人の行動特性が考慮されておらず、安全確認を利用者に過度に依存するものであったと考えられる。
3.安全対策の取組の遅れ
機械設備の安全性について、広く活用されている「3ステップメソッド」と呼ばれる考え方(53、54ページに詳説)に従って、事故事例を分析すると、
①駐車装置内の視認性、制御方式、停止機能などの本質的安全設計方策
②隔離と停止による安全などの安全防護と非常停止などの付加保護方策
③使用上の情報(利用方法、駐車装置に潜むリスク、緊急時の具体的な対
処方法等についての利用者への情報提供)等において、安全対策の取組の遅れがあった。

<意見>
駐車装置は、実際の日常生活において、幼児を連れて多くの荷物を車で運んでいるなど、利用者に様々な状況で使用されている。しかし、現在稼動している駐車装置は、装置内に運転者以外の者が立ち入らないことを前提に設計されている。このような設計は、日常生活空間における実際の利用環境や人の行動特性を十分に考慮したとはいい難いものであり、その結果として、駐車装置の利用には、多くの重大なリスクが伴うこととなっている。駐車装置の安全確保に関しては、駐車装置のリスクを最もよく知る製造者が、装置自体のリスク低減を図るとともに、利用者等に対してリスクや使用方法について周知する等、主体的な役割を果たすべきである。
他方で、事故の発生を防止するためには、実際に駐車装置を操作する利用者自らもリスクを認識し利用することが重要である。
上記を踏まえ、国土交通省及び消費者庁は、機械式立体駐車場の安全性を高めるための施策を進めるに当たり、特に次の点について取り組むべきである。

1.国土交通大臣への意見
(1)制度面等の見直し
①現在、国土交通省において検討が進められている、安全性審査に係る駐車場法施行令(昭和32年政令第340号)第15条の規定による大臣認定制度(以下「大臣認定制度」という。)の見直しに当たっては、過去に大臣認定又は公益社団法人立体駐車場工業会(以下「工業会」という。)の認定を受けた型式の駐車装置であっても、新たに設置する場合には、改正後の大臣認定制度における安全基準に基づき、必要な設計変更等を行った上で、改めて認定を受けることとするなど、利用者の安全に十分に配慮した制度とすること。
②工業会に対して、「機械式駐車場技術基準」(工業会発行)(以下「技術基準」という。)の全面的な見直しを行う際、実際の利用環境や人の行動特性も考慮したリスクの分析、評価など十分なリスクアセスメントを行い、平成26年度中に改定するよう促すこと。また、製造者に対しても、上記技術基準の見直しに併せて、各社の設計基準の整備、見直しを促すこと。
③駐車装置の安全性に関する基準について、国際的な機械安全4)の考え方に基づき質的向上を図り、業界全体に適用させるため、JIS規格化について早急に検討を進めること。
④駐車場法(昭和32年法律第106号)は、駐車面積が500㎡以上の一般公共の用に供する駐車場のみに政令で定める技術的基準への適合を求めているため、マンション居住者用の駐車場等に設置されている駐車装置には適用されない。これらの駐車装置についても、その安全性を確保するた
めの法的な整備の検討を早急に進めること。
⑤製造者から利用者への安全に関する情報提供を確実にするための仕組みの検討を早急に行うこと。
上記③、④及び⑤については、平成26年度中に検討結果を明らかにすること。
(2)既存の設備への対応
工業会によるリスクアセスメントの結果判明した、重大な事故につながる高いリスクについては、本調査報告書にある再発防止策等を参考に、目標年限を区切る等して既存駐車装置の改善を促進するための施策を講ずること。
また、後述の2.(1)に記載のある関係者間の連携による安全対策の検討・実施を促すこと。

(3)事故情報収集及び公開の仕組みの構築
駐車装置で発生した事故情報の継続的な収集・分析を行い、その結果を適切に公開するとともに、「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」(平成26年3月、国土交通省)(以下「安全対策ガイドライン」という。)及び技術基準の見直し、製造者への情報のフィードバックを行うなど、事故
の再発防止及び駐車装置の安全性の向上を図るための仕組みを構築すること。
2.国土交通大臣及び消費者庁長官への意見
(1)安全対策の検討・実施の推進
駐車装置は一度事故が起きれば重大な被害の発生につながること及び長期にわたって使用されることを踏まえ、目標年限を区切る等して、製造者、保守点検事業者、所有者・管理者(マンション管理組合を含む。)、利用者に対して、協議の場を設置し、連携した安全対策の検討・実施を促すこと。
(2)安全利用の推進製造者、設置者及び所有者・管理者に対して、駐車装置の安全な使用方法、緊急時の具体的な対処方法等について、利用者に向けた説明の徹底を促すこと。また、製造者及び保守点検事業者等に対して、所有者・管理者と協力して利用者に向けた教育訓練の実施を促すとともに、利用者に対して参加を促すこと。
(3)注意喚起の実施
具体的な事故事例等を基にするなど、駐車装置が有する危険性及び駐車装置を利用するに当たっての注意点を取りまとめ、利用者に対して継続的な注意喚起を実施すること。

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子ども計測ハンドブック_表紙.jpg
編集者 持丸正明、山中龍宏、西田佳史、河内まき子
子ども計測ハンドブック
株式会社 朝倉書店
2013年 6月20日
寸法、運動、感覚、行動、子ども特有の人間特性を科学的・体系的にまとめた初めてのハンドブック
子どもの人間特性(寸法,形態,力,運動,知覚,行動など)に関する計測方法を紹介。多数の計測データを収録。工業製品への応用事例も紹介する。子どもの安全を確保し,健全な発達・育成を目指す商品開発者・研究者に必備のハンドブック。〔内容〕概論/計測編/データ編(寸法・形態・構造,運動・発揮力,感覚・生理,認知・行動・発達)/モデル編/事故・障害・疾病データ編/規格編/応用編(事故事例:遊具,指はさみ他/モノづくり:靴,メガネ,住宅設備他)/他
森山哲は、第7章応用編、7.2 事故事例・対策、f.プールの事故 を執筆

B5/448ページ/2013年06月20日
ISBN978-4-254-20144-4 C3050
定価15,120円(本体14,000円+税)

 

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トレードオフを勝ち抜くための総合技術監理のテクニック.jpg
森山哲
事例に学ぶ
トレードオフを勝ち抜くための総合技術監理のテクニック
第4版
リスクマネジメントのすすめ

株式会社知人館書館

ISBN978-4-8052-0862-5

2013
機械安全、技術士、総合技術監理

本書は難関である技術士試験、総合技術監理部門の「手引き書」となっている。

ビルの自動回転ドアや流水プール、いずれも身近にあり、買い物やレクリエーションを彩るものとして、人を楽しませる。しかしながら、そこには思いがけないリスクが潜み、特に子どもが巻き込まれる痛ましい事故が起こることがある。再発防止のために、リスクマネジメントとトレードオフの観点から事故を検証し、設計や施工、運営管理の面から課題を明らかにする。

事故が起きた自動回転ドア概略図.jpg

近年、技術の現場では、経済性と安全、環境保護と開発といった相反する命題にどう対処すべきかが常に問われており、こうした「トレードオフ」を解決するための有効な手法としての「リスクマネジメント」と「総合技術監理」が重要視されている。本書は現役の技術者たち21名が、自ら体験したトレードオフとその解決事例を多数紹介した。
 第4版では、東日本大震災に起因する災害や事故等により浮上したリスク問題であり問題解決が急がれている原発事故、津波避難、放射線影響、BCPなどの新しい話題を盛り込んだ。また、危機管理への対応や、個人情報漏洩の危機、JR福知山線事故等、前作に収録されている事例も最新の内容に改めたほか、TPPと食、少子高齢化と年金危機、青少年の進路選択など、テーマの幅を広げ、よりユニークな内容となった。
 考えられる日々のリスクに前向きに取り組み、乗り越える術を見つけ出す。読み物としてもさらに充実。


第4版 刊行にあたって
はじめに

第1章 誰もが陥りやすいトレードオフのわな-リスクマネジメントのすすめ
 トレードオフとは?
 リスクマネジメントの基本
 総合技術監理とは
 出張のリスクマネジメント-東京でのプレゼン
 身近な総合技術監理-朝食をつくろう!
 リスクマネジメント用語について

第2章 ケーススタディ 技術の現場から-トレードオフとの果てしなき戦い
 1 セキュリティ認証取得におけるトレードオフ
  ―個人情報や保護体制の構築
 2 携帯電話の地理情報にみるリスクマネジメント
  ―安全と、知られるリスクのトレードオフ
 3 情報資産のリスク分析
  ―様々な脅威から、情報資産をどう守るか
 4 輸入食品の安全性におけるトレードオフ
  ―消費者が選ぶ基準とは
 5 日本の食はどう変わるか
  ―自給率上昇か輸入依存か
 6 水道水質と制御システムのリスクマネジメント
  ―水安全計画に基づく水質管理
 7 回転ドアのトレードオフ
  ―弱者を守り、技術も発展させるために
 8 製造工程におけるホコリ対策のトレードオフ
  ―目に見えない小さな敵から企業を守る
 9 開発と希少種のトレードオフ
  ―トレードオフの消耗戦を打破するために
 10 システム開発のトレードオフ
  ―銀行システムのトラブル事例から
 11 プロジェクトで不測事態発生!
  ―官庁システムのトラブル事例から
 12 BCP策定のトレードオフ
  ―緊急事態を生き抜くために
  COLUMN 東日本大震災の前後におけるBCP/BCMS策定状況
 13 電力供給のトレードオフ
  ―計画停電から垣間見えるリスクマネジメントの落とし穴
 14 想定外の災害とリスクマネジメント
  ―大震災による橋梁の被災と「想定外」
  COLUMN 被災地支援のリスク管理
 15 津波防災のトレードオフ
  ―技術者のみならず社会全体で取り組もう
 16 都市における災害時のトレードオフ
  ―帰宅困難! そのとき、あなたは?
  COLUMN BCPステップの考え方
 17 企業倫理と企業経営のトレードオフ
  ―食品偽装事件からの検討
 18 技術者倫理におけるトレードオフ
  ―被用者・受託者と専門職、二つの立場で
  [ESSAY]ソバアレルギーについて

第3章 実践! リスクマネジメント
 原子力発電のリスクマネジメント
 東日本大震災と水道システム
 放射能リスクとバイアス
  COLUMN 除染をめざして
 地震と液状化のリスクマネジメント
 外来生物のリスクマネジメント
  COLUMN 希少種と外来生物の奇妙な蜜月関係
 JR福知山線事故再考
 本質安全設計とリスクマネジメント
 名水を守れ
 スプラウト(発芽野菜)のリスクマネジメント
 個人情報漏洩の危機
 事業仕分けと先端技術
 青少年の進路選択
  COLUMN 子どもの教育に思う
 少子高齢化と年金危機
  COLUMN リスク学について
 ミス防止のトレードオフ
  [ESSAY]錦鯉の飼育におけるトレードオフ

おわりに
第4版のあとがき
索引
執筆者紹介

 

 

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2012pool.png
森山哲
水泳プールの吸い込まれ事故
公益社団法人 日本技術士会
2012年 2月号
安全,プール,吸い込まれ事故,防止,人に依存しない
埼玉県ふじみ野市で小2 女児が流れるプールの吸水口に吸い込まれて死亡した事故はいまだ記憶に新しい。事故の直接の原因は,取水ますに設置されていた防護柵が外れ,ポンプの吸水配管に吸い込まれたものである。水泳プールの吸い込まれ事故は過去40 年間に56 名が死亡1),2010 年にも温泉施設クアハウスで
事故が発生したが幸運にも居合わせた救命救急士と医師により救助された。本稿は,事故がなぜ起きたか,技術的に防げなかったかを調査研究した日本技術士会登録グループ「子どもの安全研究グループ」の研究報告である。
1 事故の概要
1.1 事故発生時の状況
1.2 事故の経過
2 プールで吸い込まれるリスク
3 取水ますと防護柵
3.1 構造
3.2 現地調査
4 技術的な問題
4.1 設計の問題
4.2 施工の問題
4.3 危険への認識の欠如
5 吸い込み力
6 あぶないプール
7 技術者の役割
8 終わりに
1) 山本浩,日本水泳連盟:水泳プールの吸・排水口事故の実態とその予防,pp.34-42,水泳プールでの重大事故を防ぐ,ブックハウスHD,2007
2) ふじみ野市大井プール事故調査報告書,平成18 年
9 月,ふじみ野市大井プール事故調査委員会
3) さいたま地方裁判所判決文,2008 年5 月28 日
4) プールの安全標準指針,平成19 年3 月,文部科学省 国土交通省

 

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14-2011ユーザRA視点機械学会_画像.jpg
森山哲
ユーザの視点から見た設計者によるリスクアセスメント
機械学会
2011 April No.26 産業・化学機械と安全部門ニュースレター 
リスクアセスメント ユーザ 機械安全 設計
機械設計者に大きな影響がある安全に関する国際規格の統合が昨年11月に行われた。それは安全に関わる最も基本的な国際規格であるA規格、ISO 12100-1:2003、ISO 14121-1:2007とISO12100-2:2003が統合され、ひとつのISO 12100:2010になったことである。新規格ISO 12100:2010の前文において技術的な変更なしに統合したと述べられているが、機械の設計者および機械の使用者、とりわけ設計者には影響のある統合であるので本稿はそのことから述べる。
 今回の改訂は大雑把に言えば第1部、第2部から構成されていた旧ISO 12100の第1部が無くなって旧ISO 14121-1:2007リスクアセスメント-原則-と置き代わり、旧ISO 12100-2 第2部:技術原則と合体してひとつの規格となったものである。この改訂が意味するところは、機械の安全の最初はリスクアセスメントであることを高らかに宣言し、設計のための基本概念は「リスクアセスメントから始めなさい」と教えてくれていることであるまいか。いまやリスクアセスメントは独立した安全のための手法ではなく、安全な機械を設計するために最初に実施するステップなのである。設計者はこのことを改めて認識していただきたい。また技術的な変更が無いとしているのはISO 14121-1:2007を基準にしているのであって、現行のJIS規格B9702:2000はISO 14121:1999に対応しているのであるからリスクアセスメントに関しては大きな違いがあることに留意しなければならない。
・序
・新規格ISO12100:2010のリスクアセスメント
・ヒューマンエラーに起因する事故防止
・ヒューマンエラーを生じさせる人間工学的設計配慮
・適用法令への整合性を確認
1) 米国原子力規制委員会報告書 WASH 1400, 1975
2) 米国原子力規制委員会報告書NUREG/CR-1278, 1983
3) ISO 12100:2010 Safety of machinery -- General principles for design -- Risk assessment and risk reduction 機械の安全性-設計の一般原則-リスクアセスメント及びリスク軽減
4) ヒューマンファクタ概論 原子力教科書 佐相邦英 オーム社 2009

 

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13-2011共創PJ報告書-1.jpg
公益社団法人日本技術士会登録 子どもの安全研究グループ
平成22年度 中小企業支援調査(キッズデザイン製品開発支援事業)に関する委託研究契約
-日本小児科学会雑誌 Injury Alert 事例の分析に関する研究-
経済産業省
http://kd-wa-meti.com/pdf/H21-METIProjectReport.pdf
産業技術総合研究所 デジタルヒューマン研究センタ
2011
子どもの安全、浴槽用浮き輪、マニュキュア除光液ガス吸引、流水プール、吸い込まれ事故
本報告書は平成21年度の共同プロジェクトに続く2年目の研究活動の成果である。
子どもが使用する製品の事故事例を技術士の視点、安全の専門家としての検証をしてみると、工学的に解決できる場合が多くある。Injury Alertに掲載されている事例などを複数の技術分野の技術士が広範なエンジニアリングの知見を活用して工学的に分析して、事故の原因の本質を見極め、危険源を明確にして、その対策を調査報告書にまとめ公表し事故を実際に低減する事を目的とした。

具体的にはInjury Alertに掲載事例、および他の重要な事例の3件を工学的に分析して、事故の原因の本質を見極め、危険源を明確にして、その対策をまとめた。

(1) 浴槽用浮き輪による溺水 
(2) マニキュア除光液による中毒
(3) 流水水泳プールによる吸い込まれ事故

目次
1. 調査の目的(緒言)
2. 浴槽用浮き輪による溺水
3. 欠頁
4. 乳児用ベッドからの転落
5. マニキュア除光液による中毒
6. 流水水泳プールによる吸い込まれ事故
7. 意見

 

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11-2009学位論文.jpg
Moriyama, T.
A Methodology of Risk Assessment Incorporating Human Error at Workplaces
The Graduate School of Environment and Information Sciences
Yokohama National University
2009
リスクアセスメント、ヒューマンエラー、評価手法、食品製造業
80%の労働災害は作業者の不安全行動によるものといわれる。労働災害の多い中小企業の現場にリスクアセスメントの導入が急がれているが、人的要因によるリスク評価はほとんど行われていない。人的要因の評価としてPerformance Shaping Factor (PSF)を危害発生確率に関連させてリスクアセスメントに含めることを研究した。従来から研究されているPSFは原子力関連産業や一部のプラント向けであり一般の産業には適用できない高度なものである。研究した方策は、PSFを10項目に代表させて評価し、普及しているマトリックス法、リスクグラフ法、数値法に組み込む方法である。フィールドテストしてみた結果も良好であった。またどこまでリスクを低減すれば合理的に受け入れられるかを、安全の費用対効果分析、安全の妥当性、人的要因の低減について論じた。
学位論文目次

 

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