森山哲
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水泳プールの吸い込まれ事故
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公益社団法人 日本技術士会 |
2012年 2月号 |
安全,プール,吸い込まれ事故,防止,人に依存しない |
埼玉県ふじみ野市で小2 女児が流れるプールの吸水口に吸い込まれて死亡した事故はいまだ記憶に新しい。事故の直接の原因は,取水ますに設置されていた防護柵が外れ,ポンプの吸水配管に吸い込まれたものである。水泳プールの吸い込まれ事故は過去40 年間に56 名が死亡1),2010 年にも温泉施設クアハウスで
事故が発生したが幸運にも居合わせた救命救急士と医師により救助された。本稿は,事故がなぜ起きたか,技術的に防げなかったかを調査研究した日本技術士会登録グループ「子どもの安全研究グループ」の研究報告である。 |
1 事故の概要
1.1 事故発生時の状況
1.2 事故の経過
2 プールで吸い込まれるリスク
3 取水ますと防護柵
3.1 構造
3.2 現地調査
4 技術的な問題
4.1 設計の問題
4.2 施工の問題
4.3 危険への認識の欠如
5 吸い込み力
6 あぶないプール
7 技術者の役割
8 終わりに |
1) 山本浩,日本水泳連盟:水泳プールの吸・排水口事故の実態とその予防,pp.34-42,水泳プールでの重大事故を防ぐ,ブックハウスHD,2007
2) ふじみ野市大井プール事故調査報告書,平成18 年
9 月,ふじみ野市大井プール事故調査委員会
3) さいたま地方裁判所判決文,2008 年5 月28 日
4) プールの安全標準指針,平成19 年3 月,文部科学省 国土交通省 |