電気はとても重宝なものです。その使用には絶縁が欠かせません。絶縁の方法、即ち構造を5つの分類、感電に対する保護を4つのクラスに分けています。
絶縁 insulation (関連国際規格 IEC60950 1.2.9)
電気または熱の通過を遮断すること。完全な遮断は出来ないので,電気伝導率または熱伝導率が十分小さいものを絶縁体という。絶縁には次の種類がある。
(1) 基礎絶縁 Basic Insulation: 感電に対する基礎的な保護となるように充電物に施した絶縁。
(2) 付加絶縁 Supplementary insulation: 基礎絶縁が故障したとき、感電に対する保護が出来るように基礎絶縁に追加して設けられた独立した絶縁。
(3) 2重絶縁 Double Insulation: 基礎絶縁と保護絶縁の2つからなる絶縁。
(4) 強化絶縁 Reinforced Insulation: 充電部に施された単一の絶縁であって感電に対する保護の度合いが2重絶縁と同等であるものをいう。
(5) 機能絶縁 Operational Insulation: 機器が正しく機能するために必要な絶縁をいう。
感電に対する保護 (関連国際規格 IEC60950 1.2.4.1)
感電に対する保護形式は、4クラスがある。
(1)クラス0機器: 感電に対する保護を基礎絶縁だけに頼る機器をいう。
(2)クラスI:感電に対する保護は基礎絶縁と、基礎絶縁が故障した場合に可触導電部が充電部にならないように設備の固定配線中のアース用保護導体にこの可触導電部を接続するなど、追加安全予防策をもっている機器をいう。
(3)クラスII:感電に対する保護を基礎絶縁だけではなく、二重絶縁または強化絶縁のような追加安全予防策を持っている機器をいい、また保護用アースを必要としない。
(4)クラスIII:感電に対する保護をSELV(導体間または任意の導体と供給電源から絶縁されている回路の中のアース間において実行値が50VACを超えない電圧)の電源に依存し、かつSELVより高い電圧を内部で生じることがない機器をいう。