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 ユーザの視点から見たリスクアセスメント、機械学会、2010

森山哲
ユーザの視点から見た設計者によるリスクアセスメント
機械学会
2011 April No.26 産業・化学機械と安全部門ニュースレター 
リスクアセスメント ユーザ 機械安全 設計
機械設計者に大きな影響がある安全に関する国際規格の統合が昨年11月に行われた。それは安全に関わる最も基本的な国際規格であるA規格、ISO 12100-1:2003、ISO 14121-1:2007とISO12100-2:2003が統合され、ひとつのISO 12100:2010になったことである。新規格ISO 12100:2010の前文において技術的な変更なしに統合したと述べられているが、機械の設計者および機械の使用者、とりわけ設計者には影響のある統合であるので本稿はそのことから述べる。
 今回の改訂は大雑把に言えば第1部、第2部から構成されていた旧ISO 12100の第1部が無くなって旧ISO 14121-1:2007リスクアセスメント-原則-と置き代わり、旧ISO 12100-2 第2部:技術原則と合体してひとつの規格となったものである。この改訂が意味するところは、機械の安全の最初はリスクアセスメントであることを高らかに宣言し、設計のための基本概念は「リスクアセスメントから始めなさい」と教えてくれていることであるまいか。いまやリスクアセスメントは独立した安全のための手法ではなく、安全な機械を設計するために最初に実施するステップなのである。設計者はこのことを改めて認識していただきたい。また技術的な変更が無いとしているのはISO 14121-1:2007を基準にしているのであって、現行のJIS規格B9702:2000はISO 14121:1999に対応しているのであるからリスクアセスメントに関しては大きな違いがあることに留意しなければならない。
・序
・新規格ISO12100:2010のリスクアセスメント
・ヒューマンエラーに起因する事故防止
・ヒューマンエラーを生じさせる人間工学的設計配慮
・適用法令への整合性を確認
1) 米国原子力規制委員会報告書 WASH 1400, 1975
2) 米国原子力規制委員会報告書NUREG/CR-1278, 1983
3) ISO 12100:2010 Safety of machinery — General principles for design — Risk assessment and risk reduction 機械の安全性-設計の一般原則-リスクアセスメント及びリスク軽減
4) ヒューマンファクタ概論 原子力教科書 佐相邦英 オーム社 2009
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