人は誰でも間違える フールプルーフ
人間ですから、誤判断や誤操作が生じます。ベテランでも、高度な教育を受けた人でも「誤」から放免されません。産業の現場、医療の現場、教育の現場でもすべて「人は誰でも間違える」と想定しなければなりません。
安全工学において「人は誰でも間違える」は重要です。工学的に(技術的にと言っても良い)フールプルーフの概念があります。とても大事な概念です。
Foolを未熟練者(十分に訓練を受けていない人)や愚人、あるいは低位と見下している人と取り間違えると、自分はフールでないからそのような間違いは起こさないと勘違いをします。
プルーフは、耐性がある、あるいは備えがあることです。
フール・プルーフとは、ミスやエラーに対して備えが出来ていることを言います。実現の手段はいろいろあります。アメリカのガソリンスタンドではセルフサービスが一般的です。レギュラーガソリンとハイオク、軽油を間違って給油出来ないように車の燃料タンクと給油ポンプ側のノズルが燃料の種類によって違うことはよく知られているフール・プルーフの一例と言えます。車の自動変速機のシフトレバーに、段差がついていてニュートラルからDにはすぐ行けるが2や1のポジションにすぐに入らないのも人間工学的にフールプルーフを備える仕掛けといえます。
もう一つ紹介します。
To err is Human, to forgive devine. [過ちを犯すのは人間だが、それを許すのは神である] 18世紀のイギリスの詩人 A.Hope